抹茶プリンで消化する、失敗した英語面談

1年半ぶりに英語で面接を受けた。日本語9割、英語1割という内容だ。時間のほとんどを占める会社紹介や自己PRは日本語で行い、自身の英会話能力を確かめるために3つの英語の質問に答えるというものだ。結果は惨敗だった。質問の内容はとてもありふれたものだ。「どうやって英語を勉強したか?」「理想の仕事は何か?」「自由な時間に何をしているか?」という3つ。面接官は流暢に喋る方で、2番目と3番目の質問がどうしても理解できない。結局、2番目の質問は聞き返すことで理解ができた。しかし、3番目の質問はさっぱりわからず、面接官の方が質問を変えたのだった。

汚名を返上するため、断片的に単語を拾ってスピークを試みた自分に待っていたのは、脳のスパークだ。自分でも何を言っているのかわからない。とても恥ずかしい、という感じがする。5歳児レベルの英語が炸裂したのだ。質問想定集を作成し、シャドウイングを繰り返す。事前にイメージを膨らませ、万全の準備で面談に挑む。おぼろげに浮かんでいた成功のイメージは、本番で見事に弾ける。ここ1年で膨らんでいた”自分は仕事ができるかもしれない”という根拠のない自信は、根拠のある気まずさによって全て水に流れた。

3年間費やしてきた英語の勉強時間は一体何だったのだろう。Netflixで見かけた英単語をAnkiに登録する代わりに、DMM英会話でグローバルな人たちともっとコミュニケーションを取るべきだったのだろうか。DMM英会話のDaily Newsの準備が面倒くさくて放置していたのがいけなかったのではないだろうか。質・量ともに不全である、という声が頭の中でこだましていく。加齢とともにダメになる体に追い打ちをかけるようだ。不全になるのは股間だけでいい。

優秀なソフトウェアエンジニアがTwitterやブログ、本で発信を続けている。前線にいる人たちだ。彼らにできるのならば、自分にもできるのかもしれない。そんな無鉄砲な自信が歴史を作り、声もなく消えていったのだ。読者は作者に自分を重ね、真似をする。映画『イレイザー』で、アーノルド・シュワルツェネッガー扮するジョン・クルーガーが無鉄砲に敵陣でドンパチする。それを見た子供が友達相手に横柄な態度を取るようなものだ。★★★★★ではなく、★★★☆☆もしくは★★★★☆の人間としての戦略が必要だ。欠けているものは簡単に満たせないのだから。そんなことを考えながら、抹茶プリンを食べている。

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元公務員。「ゆるく生きたい…!」「夢がありそう…!」と希望を持って地方から上京したものの、東京の荒波に晒され地獄感を味わう。過労とストレスで体を壊すぐらいなら冷蔵庫を壊そう。