バイクで大陸縦断を目指す『珍夜特急』を読み終わってしまった

うおおおおおおおおおおぱくぱくもぐもぐwww やってられないんじゃボケェボケェボケェボケェボケェ。仕事だるいんじゃ糞糞糞うんこおおおおおおおお。はぁぁっぁぁぁぁぁあぉっぱいおっぱいおっぱい。あーーーーーーーーーーー旅に出たい出たい出たい出たいんじゃボケェボケェボケェええええええうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。・

大変失礼いたしました。

Kindleで売っていたクロサワコウタロウ氏の『珍夜特急』を読み終わってしまった。私の通勤時間の楽しみがまたひとつ消えてしまった。これを読まずして一体何を読めばいいのだろう。

内容はインドのカルカッタからポルトガルまでのユーラシア大陸を、バイクで単独横断するというもの。高校時代の友人と出かけた初のタイ旅行中で突如として疑念 ー あの夕日に向かえば本当にヨーロッパ大陸にたどり着くのだろうか、どの辺から、どんな具合に人種が変わっていくのだろうか ー が芽生えてしまう。このタイ旅行を機に大学を休学し、2年間の仕事生活で貯めた250万円を元手に愛車「82年式XLR20Rパリダカ」でポルトガルのロカ岬を目指す。

旅はトラブルが付きものだが『珍夜特急』だって例外じゃない。まず、バイク単独横断の出発地であるインドのカルカッタで足止めを食らい、マハマというインド人にカルカッタ南400kmにあるビーチへのチケットを3,000Rs(約8,100円)でボッタクられてしまう。結局、クロサワ氏は紆余曲折あって再度マハマに挑むことになるのだが、そのきっかけは関西弁を操る「サトシ」というインド人なのだから、もう訳がわからない。

日本国内で日常生活を送っているだけでは、あり得ない現実が本書で展開される。だから、ワクワクせざるを得ない。

旅先で出会う”仲間”の存在により、物語はさらに活き活きとしたものになっていく。ドイツ人カップルのノッチとシルビア、ステファン、日本人のエルビス、いく子さん、道家さん、テッサロニキの女子大生、名もなき旅行者、そして数多の客引き等…彼らとの会話には人間味が溢れていてとても良い。

たとえばこのエピソード。とある理由でノッチとシルビアの2人と野営をすることになるのだが、シルビアが野外でうんこをしている最中にこんな会話が展開される。

「……このっ、えいっ……ホントに硬いわね……食べてるものかしら……ああ、また人参みたいのが……」言うまでもなくそれはシルビアの声だった。しかもその声は動いており――つまり彼女は移動しながら用を足しているのである。私とノッチは即座に姿なき彼女を窘めた。「ちょっと!頼むからもう少し向こうでやってくれ!風向きが変わったらどうするんだ」

彼らは野グソの処理を紙でやっているから、うんこが付いたペーパーが飛んでくるのを心配しているのだ。うーんこれは臭い(確信)。しかし、この天真爛漫というか、恥ずかしがることなく開き直る様はなんて清々しいのだろう。好感が持てて、むしろ好きなエピソードのひとつだ。

これである。旅先の一期一会な出会いで展開される人間模様が強烈に面白い。危険と自由が入り交じる世界に身を投げた登場人物の会話は、鬱屈した日常を送る自分には強烈なスパイスとなる。

「あぁ…旅がしたい…」

単純にそう思ってしまった。先日、物心が付いてから初めて行った韓国旅行で、パスポートと金があれば気軽に海外に行けることを実感したのだからなおさらである。まだまだ見てないものが多すぎる。

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2 件のコメント

  • おばさんの私が読んでも本当にワクワクドキドキ毎晩遅くまで読んで寝不足に。二回全部読み通しました。クロサワさんの今後を期待してます。

    • 思わず旅に出たくなりますよね。
      あれから元祖(?)深夜特急の方も読んだのですが、古さが全くなくこちらも面白かったです。

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    元公務員。「ゆるく生きたい…!」「夢がありそう…!」と希望を持って地方から上京したものの、東京の荒波に晒され地獄感を味わう。過労とストレスで体を壊すぐらいなら冷蔵庫を壊そう。