【大公開!】RESORNの狙いと数値感、そして僕は心が折れた。

内省的に一人で悩んでいても仕方がないので、普段のプロジェクトの知見を少しずつ公開したい。

2018年1月13日、リゾートバイト求人検索サイト「RESORN(リゾーン)」を公開した。アルファリゾート、アプリリゾート、ヒューマニック、グッドマンサービスの4つの派遣会社の求人を一括で比較できる求人サイトだ。2017年9月に和歌山県の白浜でのリゾートバイト期間中からアイディアを温めていたWEBサイトで、Google Apps Scriptでスクレイピングした求人をWordpressにぶっ込んで表示している。

Google Apps Scriptは環境構築が不要で、さくっとスクリプトを動かしたい時には打ってつけだ。「何か作ろう!」と意気揚々と臨み、開発環境構築の時点で心が折れてしまうのはありがちな話なのだ。

実際僕も、Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例JS+Node.jsによるWebクローラー/ネットエージェント開発テクニックを購入したが、20〜30ページ読んだ時点で挫折してしまった(こういう知見を共有すると自分がダメ人間に思えて「ああああああああああああああ」ってなる)。

初心者におすすめなのは、データを集める技術 最速で作るスクレイピング&クローラーだ。ExcelとGoogleスプレッドシートという馴染みのあるツールでスクレイピングを紹介するためとっつきやすい。もしもあなたが独学でクローラー開発を目指しているなら、本を取ってみても良いかもしれない。

ただ、僕の利用したGoogle Apps Scriptには致命的な欠点がある。6分以上連続した起動ができないことだ。確かにこちらのブログのコードを使えば起動から6分経過の前に処理を止め、1分後に再開という神業を繰り出せる。しかし、1日に使用できるトリガー数にも制限があるため、結局は手動でスクリプトを起動している。

効率太郎
手動

あぁ、話が逸れてしまった。今回の記事の目的は、RESORN(リゾーン)の狙いと実際にやったこと、そして現状の数値を共有することだ。残念ながら、RESORN(リゾーン)は今のところ上手くいっていない。その理由も含めて公開したい。

RESORN(リゾーン)の狙い

まずはRESORN(リゾーン)の狙いを皆さんにお話したい。

RESORN(リゾーン)は成功報酬型広告、いわゆるアフィリエイトをビジネスモデルとしている。アフィリエイトリンクを踏んだユーザーが、遷移先のWEBサイトに登録したら成果が発生するあれのことだ。このブログでも、リゾートバイト体験談の記事の中にアフィリエイトリンクを入れた記事がある。

【必見】リゾートバイトのフロント業務を徹底解説!体力勝負だが実は意外と楽しい…?

2017.12.14

当然、RESORN(リゾーン)ではなく、公務員辞めましたで成果発生を狙うべきという考えもできるだろう。リゾートバイト体験談の更新に加え、各派遣会社のLPも用意しているからだ。

だが、記事のライティングは時間がかかり過ぎる。以下は、2016年12月3日から2017年12月18日までのプライベートで書いた記事の文字数をグラフで表したものだ。

文字数モニタリング

2017年8月30日に6,053文字を記録した以外は、0〜2,000文字で推移していることがお分かりいただけるだろう。そう、僕は遅筆なのだ。SEOでの集客を目指し1記事あたり5,000文字程度が通過点と考えれば、少なくとも3日の時間が必要だ。だから更新できても最大10記事。微妙だ。

そこでRESORN(リゾーン)だ。開発までに時間はかかるが、スクレイピングしたデータをそのまま反映させれば記事を書くより効果を高められるかもしれない。僕は低俗な笑みを浮かべパソコンに向かった。

さて、本題はRESORNの狙いである。「さぁ、リゾートバイト求人を探そう」というキャッチフレーズの通り、4つの派遣会社の求人に特化したリゾートバイト求人検索サイトを目指した。市場で優位に立てると考えたからだ。参考にしたのは、図解 実戦マーケティング戦略

戦略Basicsというフレームワークを紹介しているのだが、「マーケティングって結局…?何したらいいかわからんw」と考える僕にとっては実践しやすい内容ですごく良かった。

戦略Basics

結局、スクレイピングした派遣会社4社の求人データという資産がリゾートバイト求人市場で大きな強みになるためRESORN(リゾーン)の開発に踏み切った。

  • 記事競争を避けたい:WEBを見る限りリゾートバイト経験者のアフィリエイトサイトが乱立している。その多くはSEOでの集客を狙っていると考えられ、主要なキーワードは競争が激化する。僕は遅筆で記事公開まで時間がかかるため、正面から戦っても勝ち目がない。
  • 競合が弱いキーワードがある:地域系キーワードは狙うチャンスがある。RESORN(リゾーン)公開直前の時点で、アプリリゾートとアルファリゾートはSEOが弱く参入のチャンスは十分にあった。アフィリエイトサイトとしても、地域系キーワードは記事として書きにくい。
  • 購買に近い部分を狙える:地域系キーワードは購買に近いと考えた。消費行動フレームワーク「AISAS」で言うところの「Search(検索)」「Action(行動)」である。購入に近い部分を狙えば、美味しい思いができるはずだ…!

チャネルからのセッションが4,800、CVRが30%、承認率が60%と想定して月に約26万円程度が入ってくる想定で進めた。大きな間違いだったがw

RESORN(リゾーン)で実際にやったこと

施策①:Wordpressテンプレート「GENSEN(TCD050)」を購入

まずは、Wordpressのテンプレートである「GENSEN(TCD050)」を購入した。

プログラミングの学習がてらRuby on RailsでWEBサイトを作ることも考えたが、一からRailsとDB周りを学ぶのは時間がかかり過ぎるためやめた。Wordpressなら普段いじっているし製作に取りかかりやすい。お金も限られているしすぐに始めたかったのだ。

GENSEN(TCD050)は、ポータルサイトに必要な検索機能とタグの絞り込み機能を用意している。求人検索サイトを公開したかった僕にとってはうってつけのテンプレートだったのだ。

施策②:「Really Simple CSV Importer」で求人データをインポート

次に「Really Simple CSV Importer」というWordpressのプラグインを入れた。

当時、勢いよくGENSENを購入したものの完全に見切り発車だった。約4,000件のリゾートバイト求人データをWordpressのDBに入れる方法がわからなかったからだ。だからと言って、手動で一件一件GENSENに求人をぶち込むのはあまりにもバカバカしい。

そんな時に出会ったのが「Really Simple CSV Importer」だ。投稿や固定ページをCSVファイルで管理でき、投稿IDがあればすでに公開した記事の更新もできる。Really Simple CSV Importerがなければ求人の反映は難しかったと思う。

インターネットマジですごいと思った。

施策③:ProgateでHTMLとCSSを勉強し直した

今流行りのProgateでHTMLとCSSの学習を始めた。

そもそもは友人のTNKさんが「Progateいいよ」って伝えてくれたのが発端。RESORN(リゾーン)のデザイン変更で、中途半端なデザインスキルしか持ち合わせていないことに気づいた僕にはぴったりだったのだ。

施策④:待遇のアイコンを追加した

RESORN(リゾーン)公開後1ヶ月で待遇・福利厚生のアイコンを追加した。

リゾートバイトは「寮付きのリゾート地でのアルバイト」が基本だが、勤務先により待遇・福利厚生が大きく異なる。たとえば、寮は個室か相部屋か、食事はありかなしか、ありなら食費は無料か有料か、温泉は入れるか、WiFiはあるか、などだ。

労働環境を左右するため、仕事を選ぶ際には時給も含めて考慮される。

そこで待遇・福利厚生を表すアイコンを求人一覧・詳細画面に表示した。正直な話、ヒューマニックやアプリリゾートなどのアイディアを真似ているのだけど、ユーザーにとって見やすくなったと思う。

施策⑤:SEOに注力した

途中からSEO(検索エンジン最適化)に注力した。オーガニック検索からの流入に手応えがあったからだ。

Googleはユーザーにとって有益でオリジナルのコンテンツを評価するから、コピペサイトのRESORN(リゾーン)の検索順位は上がらないものだと考えていた。しかし、SEOを意識したサイト構造はおろかtitleタグすら怪しい状況で結論を出すのは早いと判断し、少し手を加えている。

まずは内部リンクの最適化だ。各地域系のカテゴリーページの上部に、子カテゴリーページへのリンクを用意した。

内部リンク最適化

各地域系のカテゴリーページはSEO上重要だと考えている。Googleでの検索回数は比較的多く、RESORNの持つ求人データをコンテンツとして強みを持つからだ。だから、地域系のKWは確実に取っておきたい。

各地域のKWに最適化するため、カテゴリーの再編も行っている。「日本全国を9つの地域に分けた地域区分」を「47都道府県」に分けていたが、さらに詳細な地域をカテゴリーとして設定した。

沖縄県なら宮古島や石垣島、西表島など地域を細分化し都道府県以外でもKWを拾うことが狙いだ。細分化したカテゴリーにはコンテンツを追加しているものもある。この辺の施策はSEOが上手いヒューマニックを参考にした。

子カテゴリへのコンテンツ追加

RESORN(リゾーン)の現状の数値

リリース後から現在までのセッション数は週に20〜30ほどの弱小数値。

リゾーンの数値感
コンバージョン率(CVR)は14%。リリース前の目標の30%には及ばない数値とはいえ、アフィリエイトサイトの中では比較的高い数値だと思う。RESORN(リゾーン)は、消費行動フレームワークの比較・行動に特化しているため、サイト上のCVRは想定通り。

RESORNのコンバージョン率(CVR)

しかし、成果の発生は1件のみと非常に厳しい状況である。

成果が発生しない3つの原因と今後

成果が発生しない原因は不明だ。考えられる仮説はいくつかあるが、手がかりに乏しいのが現状だ。

  • ブランド認知がない:RESORN(リゾーン)は認知されていない。ユーザーは馴染みのあるものを好み、信頼できるものを選ぶ。まずは名前を知ってもらうべきかもしれない。
  • 集客数が足りない:セッション数は20〜30と非常に心もとない数値だ。成果発生までに多くのサイト訪問が必要ならば、まずは集客数の向上を考えるべきかもしれない。
  • 物語を求めている:ユーザーは物語を求めているのかもしれない。リゾートバイトは海外志向だったり人生に疲れていたりする学生・社会人には魅力的に映る。未踏の地に待つ出会いに胸をときめかせるのだ。RESORN(リゾーン)にその要素はない。

現状思いつくのは、この3つだけだ。結果が出るまで仮説を検証するべきだが、可能性に乏しいなら放置も考えている(僕もRuby on Railsでうぇぶあぷりけぇしょんを作りたい)。他に良いアイディアがあればお聞かせくだせぇ!!

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3 件のコメント

  • すみませんコメント失礼します。
    技術面での質問です。
    私もgensenを買ったのですが、絞り込み検索部分で悩んでおります。
    RESORN(リゾーン)さんでの「エリアをさらに細かく絞る」のやり方を教えていただきたいです。
    タグの利用ではないですよね?

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    元公務員。「ゆるく生きたい…!」「夢がありそう…!」と希望を持って地方から上京したものの、東京の荒波に晒され地獄感を味わう。過労とストレスで体を壊すぐらいなら冷蔵庫を壊そう。