【検証】公務員の給与は本当に恵まれているのか?

久しぶりに、このブログらしい記事をお送りしたい。

今回のお題は「公務員の年収は本当に恵まれているのか」だ。公務員は安定していると言われる昨今だが、果たして事実かどうかという疑問がある。これはTwitterで意見が割れたことに端を発しており、水掛け論に終わる前に数値で検証しようという問題意識がある。

先に結論を述べると、公務員の年収はやはり恵まれているだ。なぜなら…?

さぁ、それではその根拠を見ていこう。

注意!
なお、今回の記事は「公務員の年収の是非」、つまり社会的に良いのか悪いのかは問題外としていることに注意したい。

公務員の年収は本当に恵まれているのか?

最初に、検証する仮説を明らかにしておこう。

  1. バブル期より恵まれている
  2. 年齢による旨味がある
  3. 民間企業よりも恵まれている

あらかじめ断っておくと、①の検証ではバブル期と現在の昇給幅の比較は省いている。バブル期のデータが見つからなかったからだ。

仮説①:バブル期より恵まれている

まずは「バブル期より恵まれている」かどうかだ。これを検証するために国家公務員の年収の推移を見ていくことにした。

国家公務員の給与月額は、俸給+諸手当で算出できる。

国家公務員の給与は、法律に基づいて定められており、職員の職務の複雑、困難及び責任の度合いに基づいて決められる俸給と、これを補完する諸手当から構成されています。 – 内閣人事局|国家公務員制度|給与・退職手当

俸給は、多様な職種をその職務、勤務条件などの類似性によって11種17表の俸給表に分類しているため、俸給表によって俸給月額は異なる。たとえば、行政職(一)の俸給表の場合、2級で16号俸なら216,400円が支給される。

行政職俸給表(一)

  • :役職のこと。級が上がるごとに俸給月額が増える
  • 号俸:勤務年数や功績、能力などが反映された級をさらに細分化するもの。年齢が増えるに連れて号俸が上がり、号俸が上がるごとに俸給月額が増える

諸手当は、俸給のほかに上乗せで支払われる賃金のことで、地域手当、特殊勤務手当、超過勤務手当、扶養手当、住居手当、単身赴任手当など豊富な種類がある。

平成29年国家公務員給与等実態調査報告書によれば、俸給表が適用される全ての国家公務員の平均は俸給が339,980円、諸手当が76,989円となり合計416,969円となる。

以下のグラフは、国家公務員の平均年収の推移を筆者が計算して出したものだ。意外なことに、バブル期よりも現在の方が平均年収は高い

国家公務員の平均年収の推移

平均年収は、人事院の国家公務員給与等実態調査結果より平均の給与1年分と平均の期末・勤勉手当を合わせて出している。

  • 平均の給与1年分:各年度の平均給与月額(俸給及び諸手当の合計)に12を掛けたもの(12ヶ月分)
  • 平均の期末・勤勉手当:各年度の平均給与月額に期末・勤勉手当の月数を掛けたもの

曲線をそれぞれ分解してみると、以下のような特徴に気づくことができる。

  1. 698.2万円のピークを迎えるまでの2002年までの右肩上がりの曲線
  2. 656.7万円に転じるまでの2002〜2004年の右肩下がりの曲線
  3. 2004〜2011年のほぼ横ばいの曲線
  4. 2012、2013年の底を打った曲線
  5. 2014年以降のやや右肩上がりの曲線

2017年の平均年収は679.7万円でバブルが終わる1993年は580.6万円。単純比較で17%も上昇しているため、バブル期よりもむしろ恵まれているのではないだろうか(ただし、①の期間は右肩上がりの成長曲線を描いているため、前年より年収の増加を実感できた可能性はある)。

仮説②:年齢による旨味がある

それでは、年齢による旨味はあるのだろうか。

これを検証するには年齢別の給与の推移を見ると良さそうだ。公務員は、不祥事を起こさない限りは年功序列で級と号俸が上がるため、年齢の上昇と共に平均年収は上がるはずだからだ。

実際、59歳までは平均年収は右肩上がりに増える。平均年収は、20歳未満の262.7万円を底として、56〜59歳の835.7万円のピークを迎えるまで増加し続ける。

年齢別の平均年収(行政職俸給表(一))

ただし、平均年収の上昇率は、年齢の増加と共に低下する。たとえば、27歳までは、3歳年齢が増えるごとに21.7%の平均年収が見込めるが、52〜55歳の人は56〜59歳の時に3%程度しか平均年収が増加しない。

年齢別の平均年収(行政職俸給表(一))の上昇率

※グラフは平成29年国家公務員給与等実態調査の結果の〔参考1〕行政職俸給表(一)の年齢階層別、給与決定上の学歴別人員及び平均給与月額から筆者が作成。

つまり、若手のうちは年収は低いが昇給の幅が大きく、ベテランは年収は高いが昇給の幅が小さいということになる。

昇給のペースは遅くなるにしても、年齢による旨味はやはりあるというのが僕の結論だ。

仮説③:民間企業よりも恵まれている

最後は、「民間企業よりも恵まれている」かどうかだ。

平成27年賃金構造基本統計調査」(常用雇用に限られ,また商業,サービス業は十分カバーされていない点に注意)によれば、企業規模10人以上の企業の現金給与額は33.3万円、年間賞与は89.3万円でいずれも行政職俸給表(一)を下回るものだ。

また、企業規模に応じて3つのセグメントに分けて比較しても、企業規模によらず行政職俸給表(一)を下回る

現金給与額1年分と年間賞与その他特別給与額

そのため、基本的に公務員は民間企業よりも年収が期待できると見て良いのではないだろうか。

結論、公務員は恵まれています。

結局、公務員は恵まれているという結論に至った。

もちろん、今回は地方公務員は対象外で、都道府県別・性別別での公務員と民間企業の平均年収の比較をしていない。だから、細かく見ていけば、公務員が恵まれていないデータが出てくる可能性はある(たとえば、平成29年地方公務員給与実態調査結果等の概要によれば東京都の青ヶ島村はラスパイレス指数が77.5で平均年収が著しく低い)。

それは今後、興味と時間がある限り検証していきたい。

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元公務員。「ゆるく生きたい…!」「夢がありそう…!」と希望を持って地方から上京したものの、東京の荒波に晒され地獄感を味わう。過労とストレスで体を壊すぐらいなら冷蔵庫を壊そう。