twitterやブログでの予告通りヒッチハイクを実施した。
今回は、ヒッチハイク4日目と最終日である5日目の記事になる。仙台から青森までの移動を目指したにもかかわらず、止まる車が皆無であった前回。果たして、無事仙台からの脱出は図られるのだろうか。
予算
−2,075円(前日分)+1,200円=−875円
ぶっちゃけると、借金生活に入った時点で金銭的な制限を守る気は無くなってしまった。
仙台〜岩手付近のIC
竜泉寺の湯に数時間滞在後、「岩手」「青森」ナンバーが無いか駐車場を物色。車上荒らし風の雰囲気を出しつつも、警察を呼ばれない程度にナンバーを覗いた。しかし、あるのは「宮城」「仙台」ナンバーばかり。
この時間まで温泉に残ってる人にアプローチかけようと思ったけど、みんな宮城か仙台ナンバーだったわ。バイパスで探そう。
#ヒッチハイク
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 4
仕方なく泉IC付近への移動を開始した。さすがIC付近だけあって、深夜の割には相当数の交通量を確認することができた。噛み締める手応え。手前側の方が向かい側よりも交通量が多く見えたので、手前側でヒッチハイクのポイントを探すことにした。ちなみにこの時3時30分。
ガソリンスタンドで給油しているトラックドライバーに声を掛けることを考えたが、勇気が出なくて断念。暗闇からトラックを狙う姿は、サバンナのチーターのように見えたに違いない。
IC横断の際に、雰囲気のあるトンネルを見つけてしまったので遊んでしまった。フォロワーを怖がらせようと思ったにもかかわらず、自分自身が一番怖くなってしまった。
そしてあたりをウロウロしている間に4時30分になってしまった。この時間の浪費感。
このままだと埒が明かないので、向かい側の道路に渡りコンビニ付近でのヒッチハイクを目指した。コンビニに駐車する車も多く、1時間以内のヒッチハイク成功を見込んだ。
しかし、止まらない。
運転席からの寒い視線だけが僕に突き刺さる。場所を微妙に変更しても変わることのない車の流れ。ただ一人、陸の孤島に取り残されたかのようであった。そして通り過ぎるGoogleカー。
Googleのストリートビュー来たこれwww
1年後にはヒッチハイクをしている僕の姿が写し出されていることだろう。 pic.twitter.com/Q5ikXiI9Jd
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 4
結局、コンビニ到着から2時間ほどヒッチハイクを実施してしまった。無情にも車とともに過ぎ行く時間。徹夜で実施するヒッチハイクは、体力的にも精神的にも力を奪って行く。
「おーい!乗って行かねーか!」
側面から唐突に声が聞こえた。手招きする姿はまるで招き猫のようだ。極限の状況下では、手を差し伸べてくれる人は皆天使に見える。颯爽と車に乗り込んだ。
乗せてくれた人は九州出身の会社の社長さんで、今までに何度かヒッチハイカーを乗せたことがあるようだ。ちょくちょく挟み込まれる下ネタに華を咲かせながら、仙台の人間は車に乗せてくれないこと、仙台名物の牛タンはそのほとんどがアメリカ産であることを教えてもらった。
仙台からやっと脱出!7台目ですね。サービスエリアまで乗せてもらいました。社長さんで仕事に行く途中だったみたい。下ネタの話題が豊富でしたw
ありがとうございました!
#ヒッチハイク pic.twitter.com/fx5UJGdPnS
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 4
岩手付近のIC〜青森
サービスエリア到着後、お腹が空いていたので蕎麦を食べ、テーブルでしばしの就寝を敢行した。車内での睡眠をいつも目論むのだが、ドライバーとの会話に集中してしまい眠れないからだ。30分ほどの仮眠後、再度ヒッチハイクを開始した。
サービスエリア内は人通りが多い。そのため、声掛けでのヒッチハイクを実施することにした。
まずは、あのトラックの運転手を狙ってみよう。僕は、駐車しているトラックのドアを叩き、運転手にこう訪ねた。
「あの、僕今ヒッチハイクやってるんですけど、よければ乗せて行ってく…」
「嫌」
無情な言葉が心に突き刺さる。沢尻エリカばりの右ストレートな一言は抜群の効果だった。敗者である僕は静かにそこを立ち去った。
しかし、しょげてばかりもいられない。ターゲットをすぐに変え、無差別に声を掛けることにした。
「あの、僕今ヒッチハイクやってるんですけど、よければ一緒に乗せてくれませんか?」
「ちょっとお父さんに聞いてみないと…」
青森に向けて絶賛移動中。
#ヒッチハイク
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
渋々OKしてもらえたが、どうやら僕は招かれざる客のようだ。つまり、家族水入らずの旅行に飛び込んでしまったのだ。ニーズの無いところを突き進んだ結果の悲劇を身を以て知ったのだった。
それでも、途中のSAで飲み物を奢ってもらい気を遣ってもらった。最終的にはそこそこ気を許してもらえたと思っている(桃色の片思い)。
青森着いた!8台目はサービスエリアからご家族の方に送っていただきました。声掛けしたのでやや強引になってしまったかも…長距離の運転めっちゃ助かりました!ありがとうございました。
#ヒッチハイク pic.twitter.com/6WLh27AKzR
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
青森〜函館
今後の予定
19:00ねぶた鑑賞
22:25青森にてフェリー乗船
2:05函館にてフェリー下船
疲れがピークなので明日中には最終的なゴールまで辿り着きたい。
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
青森到着後、昼食を取るために青森市内を物色した。最終的には大戸屋でご飯を食べた。もはや予算の概念は無い。
サービスエリアの蕎麦と大戸屋のランチで残金-2296円。修復不可能w
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
青森に到着して感じたのは、青森の人はラフであるということだ。声がでかい、態度が荒々しいなど、仙台で見た情景とは異なるものが僕の目の前に広がっていた。ムンムンと漂う熱気を避けるためにガストで休憩。ぐっすり寝てしまった。
格安で滞在できるガストに来たんだけど、あまりにも眠くて意識失ってたわ。起きたらよだれで服がびちゃびちゃ。ヒッチハイク中は睡眠時間の確保がネックだよなぁ。
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
ねぶた祭までは時間があるので、青森市の外れにある極楽湯に向かうことにした。途中で見つけたパン屋のパンが美味しかった。津軽地方は洋食が意外と美味しいので、洋風でオシャレな場所を見つけた際は入店することをオススメしたい。
極楽湯では、気持ちよく湯に浸かることができた。あまりにも気持ちよかったため寝湯で熟睡してしまい、起きた頃にはねぶた祭が開始しているという始末。すぐに湯からあがり、会場への迅速な移動を目指した。
なお、着替えは無い。
徒歩での移動はねぶた祭に間に合わない可能性が高く、短距離のヒッチハイクを開始した。当時は日が沈んでおりダメ元で夜間のヒッチハイクに臨んだ訳だが、開始5分ほどで車が側に止まってくれた。超ラッキー。
止まってくれたドライバーは女性の方で、ねぶた祭に向かう途中だったのだそう。しかも、旦那さんは三味線の全国チャンピオン!ねぶた祭で三味線を演奏するので、見ることをオススメされた。なんという縁!
おーなんとか間に合った!ねぶたねぶた!! pic.twitter.com/QJCJRcR731
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
車で連れてきてもらったので、無事ねぶたを見ることができた。相変わらずでかい。
フェリーの時間を考慮し、すぐに三味線演奏会場に向かった。向かって右側が旦那さん。
後から聞いた話なのだが、旦那さんは笹川皇人さんという方で非常に有名なのだそう。知らずに鑑賞していたが、本当にカッコ良かった。
しばしの鑑賞の後、時間が押していたのでフェリーに向かうことに。極めてギリギリの時間になっていたので、やや急ぎ足で現地に向かった。
こういうのめっちゃ乗りたいわ
#ヒッチハイク pic.twitter.com/Gg6AbwyAGz
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
フェリーに到着後、船内ですぐ寝てしまった。そのため、船旅らしい思い出は特に無いのだが、同室で寝ていたバイカー集団の足が臭かったことが強烈に印象に残っている。
函館〜大沼公園IC手前のサンクス
函館到着!ここから再度勝負やで
#ヒッチハイク pic.twitter.com/3oR2dqfHWj
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
函館に到着後も高速道路を利用した長距離移動を目指すため、ICに繋がる道の途中でヒッチハイクを敢行することになった。フェリー内での声掛けも考えたが、勇気が出ず断念。
フェリーで声掛けできなかった時点で厳しい戦いになることは予想できるはずだ。
#ヒッチハイク
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
ヒッチハイクに最適と思われるコンビニに約50分ほどかけて移動し、やはり夜間のヒッチハイクを開始。車通りも少なく消耗戦になることが考えられた。
しかし、想像よりも早くヒッチハイクは成功した。開始から1時間が過ぎたころ、若者2人組が車を止めてくれたのだ。2人はパティシエの専門学校に通っており、今は夏休み中なんだとか。暇を持て余していた時に路上で立ちすくんでいるおもちゃを発見したという訳だ。
最終的に大沼公園IC手前のサンクスまで送ってもらった。去り際にガムをもらって大変嬉しかった(こちらは汗まみれのTシャツ以外あげるものは無かった)。
北海道上陸後初のヒッチハイク!パティシエの専門学校に行く18歳の2人に送ってもらいました。ガムを貰ったのに、汗まみれの衣類以外何もあげるものがなくて申し訳なかった。好青年極まりなかったです!
#ヒッチハイク pic.twitter.com/lbShXZdLYy
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
しかしあの絶望的な状況からよく拾ってくれたな…
#ヒッチハイク
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
大沼公園IC〜実家
彼らと別れたあと即座にヒッチハイクを開始した。疲労が極限に達しており、可能な限り早く家に帰りたかったのだ。見晴らし、車通り、コンビニ付近、ICの手前であることなど、これ以上の場所は無いように思えた。
今回の待機場所はかなり理想的な場所マン。割とすぐに乗せてくれる車が見つかるだろう。
#ヒッチハイク pic.twitter.com/s9rKapVchm
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
しかし、期待は裏切られるものだ。幾度も視線を感じるのだが止まってくれる気配が無い。道産子特有の事なかれ主義を嫌でも目の当たりにすることとなった。仙台の悪夢が蘇る。
誰も止まらなくて震える
#ヒッチハイク
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
だが、止まない雨は無い。ベンチでの休憩を挟みながらヒッチハイクを開始して2時間、トラックが僕の目の前に止まってくれた。トラックはやはり長距離を移動するらしく、実家付近まで運転するようだ。この時点で実家に帰宅できることが決まった。
トラックに拾ってもらった!!!これで帰れる!!!
#ヒッチハイク
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
トラック内で寝ようと考えていたが、乗車している4時間は、明石家さんまよろしくひたすら会話し続けた。
トラック運転手の世界にも罰金制度があるんだってな。はー。へー(白目)
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 5
車内での会話は、職場環境の話題が興味深く映った。たとえば、罰金制度の話。どのような過程で適用されるかを宇宙の彼方に忘却してしまったが、勤務している会社では罰金制度が存在しているようなのだ。そしてそれを、「仕事だから仕方ない」と甘んじて受け入れているドライバーさんの考え方に違和感を抱いた。
ただし、産業構造として物流に負担が押し付けられているために、そのような状況に陥っていることもあるかもしれないと妄想した。原因は消費者のニーズなのかもしれない。調べたことがないので全く適当だけど。
今帰って来た!11台目はトラックの運転手さんで、実家付近まで送ってもらいました。函館のベストポイントに着いたにも関わらず、2時間ほど捕まらない絶望感。そこを助けてもらった!
しかし、実家の鍵が空いてなくて再度絶望。 pic.twitter.com/qdopzMdgOj
— 堕天使@アザぜル (@Yutti_Onioni) 2015, 8月 6
4時間の会話の後、予定通り実家付近まで送ってもらい今回の旅は完結となった。実家の鍵が解錠されておらず、近くのパン屋で2時間ほど眠ってしまったこと(よだれ付き)は触れないでおこう。
行程
2日間で仙台から北海道の実家まで辿り着くことができた。3日目に仙台で足止めを食らってしまったことを考えれば、大きく前進できたと言えるのではないか。
なお、今回も辿ってきたルートを記録することができなかったので省略。
残金
実家に到着した段階での残金は
ー2,616円
5日間で使用した金額は
1,200円(1日の予算)×5(日)+2,616円(はみ出し分)+3,200円(フェリー代)=11,816円
3日目で予算という概念自体が崩壊し以降は費用を荒く捻出してしまったが、5日間を11,816円で乗り切れたことはかなりの収穫と言えるのではないか。食費込みで1日あたり約2,350円で東京から北海道まで横断できたことはかなり大きい(まぁぶっちゃけ時期によってはLCCの方が安いアル)。
ただし、食事やホテル代の奢りや、車に同乗させてもらうことでの交通費の浮きは、ヒッチハイクにおけるフリーライダー的な要素が多分に影響していることを忘れてはならない。
おわりに
格安で旅ができた反面、睡眠不足など体力的に過酷であったことが実証された今回。ホテルなど確固とした宿泊先が確保できなければ、体力的には3日が限界だというのが個人の感想だ。
元気は有るが金の無い若者は是非ともチャレンジしてほしい。勇気を持って踏み出したという経験が日焼けとともに体に刻み込まれることだろう。
ひとまず、今回の旅に関わってくれた全ての人に感謝して記事を終えるとしよう。アディオス。
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